概要
本書は、2003~2005年度に行われた水中音響に関連する「標準」についての調査研究の内容をまとめたものである。「標準」は、多様化する方向にある事柄を、単純化、秩序化することにより、互換性、公平性を確保し、技術進歩を促進する。国内では、水中音響分野の「標準」について十分な取り組みが行われておらず、国際的には危惧すべき段階にある。本書では、国際的な動向と、国内の現状について調査し、関連分野についてもまとめており、これまでに類のない内容となっている。本書により、水中音響分野の標準、規格の重要性について認識と理解が深まり、国内外の動向に関心をもっていただければ幸いである。
目次
第1章 概要
1.1 部会の目的
1.2 部会の構成および経過
1.3 成果の概要
第2章 超音波計量分野の国際動向と国際規格
2.1 まえがき
2.2 計量標準に関する国際組織
2.3 国際規格に関する機関
2.4 その他の関連国際組織
2.5 まとめ
第3章 受波器相互校正の国際基幹比較
3.1 受波器相互校正の国際基幹比較CCAUV.W-K1
3.2 オキシーテックにおける相互校正
第4章 NDS 規格:水中音響機器の試験方法
4.1 防衛庁規格(NDS Y 4301:ソーナー用送受波器、送波器及び受波器の試験方法)の位置付け及び概要
4.2 電気音響特性試験
4.3 NDS 規格と感度校正
4.4 水中音響標準装置の経緯
4.5 水中音響標準装置
4.6 標準水槽
4.7 計測方法概要
第5章 水産音響における送受波器感度校正
5.1 はじめに
5.2 計量魚探機の概要
5.3 水産音響における校正の概要
5.4 校正球
5.5 計量魚群探知機の校正手順
5.6 色々な校正
第6章 海洋環境分野での動向
6.1 はじめに
6.2 低周波アクティブソーナーSURTASS LFA
6.3 SURTASS LFA 科学研究プログラム(Scientific Research Program: SRP)
6.4 SURTASS LFA ソーナーの運用
6.5 おわりに
第7章 音響インテンシティ計測 -船舶雑音分野での応用-
7.1 はじめに
7.2 音響インテンシティ計測
7.3 音響インテンシティの各種誤差要因
7.4 艦船雑音計測
7.5 各種音響インテンシティ
7.6 各種計算方式の比較
7.7 ウェーブレット変換による航走雑音測定
7.8 ウィグナー分布による計測例
7.9 音響ホログラムによるインテンシティ計測
7.10 今後の展望へ
第8章 医用超音波応用分野の動向
8.1 はじめに
8.2 超音波診断法の特徴
8.3 超音波診断装置の開発の歴史
8.4 超音波診断における安全性
8.5 超音波治療応用
8.6 関連する規格
8.7 おわりに
第9章 まとめ
資料A:インターネットでみる国内の無響水槽
資料B:水産用超音波機器の認定規格
資料C:音響測深機の規格
資料D:輸出貿易管理令における水中音響機器