公開データ

FDTD法による音波伝搬解析

2003年度研究発表会優秀論文発表賞の内容の一部を掲載

神奈川大学 土屋健伸

研究の目的

 近年、海洋内の環境を観測する手段として海洋音響トモグラフィが注目を集めており、最近では特に浅い海を観測する要望が増えている。また海洋内を伝搬する音波の性質は水温や流れといった海洋内部構造に大きく影響を受ける。海洋資源調査や物体探索など今後より高精度な計測を行う上では精度の高い音波伝搬予測が必要となり、そのため多くの計算手法が開発されてきた。特に浅い海での音の伝搬は海面・海底の状態に大きく影響を受けているため、それらに適した伝搬解析を行える手法が必要となってくる。
 そこで我々は電磁界の分野で広く用いられている時間領域差分法(Finite Difference Time Domain Method : FDTD Method)を用いて浅海での音波伝搬の解析を行い、様々な条件の海域内の音波伝搬の特徴を明らかにすることを目的とする。


Miller博士の解説記事

 2009年度第1回講演会(2009年9月24日)にて講師を務めていただいたLee A. Miller博士(南デンマーク大学生物学研究所)より、海洋音響学会誌(海洋音響学会誌, 第37巻, 第3号, 通巻139号)に下記の解説記事を執筆していただきました。

Lee A. Miller, “Prey Capture by Harbor Porpoises (Phocoena phocoena): A Comparison Between Echolocators in the Field and in Captivity”, J. Marine Acoust. Soc. Jpn., 37(3), 156-168 (2010).

この解説記事には、付録として3つのビデオクリップが含まれています